PS事業紹介 / POメッセージ
プログラムスーパーバイザー(PS)事業紹介
プロフィール
- 1978年3月
- 東京大学医学部医学科 卒業
- 1980年6月
- 東京大学医学部神経内科 医員
- 1985年7月
- アメリカ合衆国 エール大学 postdoctoral fellow
- 1987年7月
- 東京大学医学部神経内科 助手
- 1999年4月
- 東京大学医学部神経内科 講師
- 2003年4月
- 近畿大学医学部神経内科 主任教授
(2012年10月~2014年9月 医学部長)
(2016年8月~2019年8月 日本末梢神経学会理事長)
(2016年9月~2019年9月 日本神経免疫学会理事長)
- 2020年4月
- 現職
(2020年4月~2024年3月 独立行政法人地域医療機能推進機構本部 理事)
事業紹介
難治性疾患実用化研究事業(以下、本事業)のプログラムスーパーバイザーを務めている楠進です。
我が国においては、「希少性」「原因不明」「効果的な治療方法未確立」「生活面への長期にわたる支障」の4要件を満たす希少難治性疾患を対象として、難病対策が講じられています。2015年の「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平成26年法律第50号)の施行に伴い110 疾病が指定難病として難病医療費助成制度の対象となり、その後徐々に拡大されて2026年には 348 疾病となっています。これらの難病の克服のためには、治療法開発のための基盤技術開発研究、研究基盤確立研究、医薬品・医療機器開発研究等の推進が必要です。
本事業は、希少難治性疾患を対象として、疾患についてのエビデンスの創出からはじまり、病因・病態の解明、画期的な診断・治療・予防法の開発を推進してそれらの克服を目指すものです。厚生労働省および難治性疾患政策研究事業の研究班とも相互に連携し、実用化を担うAMEDの役割として切れ目無く実臨床につなげるため、AMEDが推進する8つの統合プロジェクトの内、医薬品、再生・細胞医療・遺伝子治療、データ利活用・ライフコースの3つの統合プロジェクトを跨いで、研究開発を推進しています。
2026年度までに本事業の研究開発をもとに17件の薬事承認や先進医療B承認がなされるなど、着実に成果が生まれつつあります。本活動・成果報告会は、難病についてのさまざまな方面からのご講演と2026年度における研究実施内容および活動・成果についての発表の場ですが、患者さん・ご家族、医療従事者、研究者や企業の方々の情報交換の場としても活用いただき、更なる研究開発の発展に寄与できれば幸甚です。また、一般参加者のみなさまにも広く本事業および各研究開発課題についてお伝えして、理解を深めていただければと考えております。
これまでに引き続き、本事業では基礎研究から実用化まで一貫した医療研究開発を強力に推進し、1つでも多くの研究成果を1日も早く患者さんとそのご家族の皆様のもとにお届けできるよう努めて参ります。今後とも、本事業への皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
荒川 玲子
国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 臨床ゲノム科
|
プロフィール
- 2002年
- 日本大学医学部卒業
- 2002年
- 日本大学医学部小児科研修医
- 2011年
- 東京女子医科大学大学院 遺伝子医療分野修了、医学博士取得
- 2011年
- 東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 助教
- 2016年
- 東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 講師
- 2018年
- 国立国際医療研究センター病院 臨床ゲノム科医長
- 2025年
- 国立健康危機管理研究機構
国立国際医療センター 臨床ゲノム科医長
国立国際医療研究所 メディカルゲノムセンター ゲノム医療研究推進室長
メッセージ
ゲノム解析技術の進歩により、これまで病因の特定が困難であった難治性疾患においても原因が明らかとなり、診断へとつながるようになりました。 さらに、その知見を基盤として、遺伝子治療、再生・細胞医療、核酸医薬、さらに病態分子を高い選択性で標的とする低分子医薬など、新たな治療法の開発が進み、これまで治療が困難であった疾患にも新しい可能性が広がっています。ひとつの発見が病態の理解を深め、次の診断法や治療法へと結びついていく、その変化を私たちは今まさに経験しています。
一方で、まだ原因や治療法が明らかになっていない難病も数多く残されています。研究者の思いと研究の成果を患者さんのもとへ届けていくためには、患者さんやご家族、医療・福祉、行政、企業など、さまざまな立場の方々の関わりが欠かせません。それぞれの立場から経験や課題を共有し、つながりを深めることが、新たな診断や治療への道をひらくと考えています。
ゲノム医療をはじめとする新しい医療が、診断にとどまらず、難病とともに生きる方々の生活や人生、そして未来を変える力になりつつあることを、日々の診療の中で実感しています。一つひとつの研究がその力につながることを信じ、皆様と学び、考えながら、難病の克服に向けてともに歩んでいきたいと思います。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
プロフィール
- 1978年
- 東京大学医学部医学科卒業
- 1978年
- 東京大学医学部附属病院小児科研修医
- 1979年
- 静岡県厚生連遠州総合病院小児科医員
- 1982年
- 東京都立清瀬小児病院腎内科医員
- 1989年
- 東京大学医学部附属病院小児科助手
- 1985年
- Harvard大学Boston小児病院研究員
- 1988年
- 東京大学医学部附属病院小児科助手
- 1989年
- 東京大学医学博士
- 1991年
- 東京大学医学部附属病院分院小児科講師
- 2000年
- 東京大学大学院医学系研究科小児医学講座小児科教授
- 2003年
- 東京大学医学部附属病院副院長(2006年3月まで、2007年4月から2011年3月まで)
- 2011年
- 東京大学教育研究評議員
- 2012年
- 独立行政法人国立成育医療研究センター理事長
- 2014年
- 東京大学名誉教授
メッセージ
難治性疾患の約6割は遺伝子の異常に起因します。ヒトの遺伝子数は17,885、遺伝性疾患は10,405、明らかにされた病因遺伝子は7,163 (OMIM, 2026年8月) とされます。原因遺伝子が多岐に及ぶ難病に対して、AMEDの難治性疾患実用化研究事業では様々な治療法開発のためのアプローチが行われ、優れた成果が生み出されており、難病に苦しむ患者さんにとって大きな希望となっています。
難病に対する様々な治療法開発の中で、再生・細胞医療や遺伝子治療が大きく期待されています。英国や米国では再生・細胞、遺伝子治療に巨額の研究投資が行われ、有効な治療薬が実用化され、わが国にも導入されています。わが国では2026年に新たに期限条件付き承認が2つの再生医療製品に与えられました。明らかな有効性が今後証明されることを期待しています。一方、わが国では遺伝子治療に関係する研究が欧米に比べかなり遅れていました。近年、ウイルスベクターの改良、新規導入技術の開発、ベクター大量製造技術、ゲノム編集技術、安全性確保などの面で徐々に改善がみられてきています。治療対象となる遺伝性希少疾患の治療開発に資する研究にも取り組まれています。国産の世界初の遺伝子治療製品が実現することを待ち望んでいます。
AMEDの本事業を通じて難治性疾患全般に関する研究が大きく進展し、AMEDと関係省庁との連携が更に図られ、再生細胞医療や遺伝子治療に関する基礎・臨床面での研究がさらに進展することを願います。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
池田 貞勝
東京科学大学病院 がんゲノム診療科 教授
|
プロフィール
- 2001年3月
- 北海道大学医学部卒業
- 2001年4月
- 聖路加国際病院外科研修医
- 2004年9月
- チルドレンズ ホスピタル ボストン
ハーバードメディカルスクール リサーチフェロー
- 2008年7月
- ベスイスラエルメディカルセンター内科研修医
- 2011年7月
- ミシガン大学 血液・腫瘍内科 フェロー
- 2014年8月
- カリフォルニア大サンディエゴ校 助教
- 2016年3月
- 東京医科歯科大学 特任助教
- 2017年4月
- 東京医科歯科大学 特任講師
- 2019年1月
- 東京医科歯科大学 准教授
- 2024年4月
- 東京医科歯科大学 教授
- 2024年10月
- 東京科学大学 教授
- 2026年9月
- 現職に至る
メッセージ
近年、医療を取り巻く技術は著しい発展を続けています。難病領域においても、遺伝子治療の臨床応用や再生医療の進歩、さらにAIを取り入れた診断・治療技術の高度化など、これまで実現が難しいと考えられていた技術が、次々と実用化に近づいています。AMEDでは、難病の病態メカニズムの解明から、新しい治療法の創出、医薬品・医療機器の開発に至るまで、研究開発の各段階を切れ目なく支援しています。
私たちは、最先端の科学的知見と技術を結集し、新たな治療の可能性を一人でも多くの患者さんへ、少しでも早く届けることを目指して取り組んでいます。皆さんと力を合わせながら、難病の克服という目標に向けて、一歩一歩着実に前進していきたいと考えています。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
プロフィール
- 1979年3月
- 東京大学薬学部薬学科卒業
- 1981年3月
- 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了
- 1981年4月
- 山之内製薬株式会社(後に合併によりアステラス製薬に社名変更)入社
- 2003年1月
- 開発本部異動
- 2009年10月
- 開発本部開発推進部上席専任理事
- 2009年4月
- 日本製薬工業協会医薬品評価委員会運営委員
- 2010年4月
- 同委員会副委員長
- 2012年4月~2016年3月
- 同委員会委員長
- 2021年3月
- アステラス製薬 退社
メッセージ
AMED事業の中で「難治性疾患実用化研究事業」は適切な治療法が無いあるいは治療選択肢の乏しい難治性疾患の患者さんに技術横断的に新たな医療をお届けすることをゴールとして事業展開してきました。緻密な疾患研究の成果より生まれた新規治療法のアイディアを、安全性の確保された製造法で開発シーズとして具体化し、そのシーズが患者さんにもたらすメリットを臨床研究にて確固たるエビデンスとして社会実装を目指す展開です。私のこれまでの製薬企業での経験が、本事業のプログラムオフィサーとしてシーズの社会実装のお役に立てればうれしく思っております。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
乾 直輝
浜松医科大学医学部臨床薬理学講座 教授・ 浜松医科大学医学部附属病院臨床研究センター センター長
|
プロフィール
- 1993年3月
- 浜松医科大学医学部卒業
- 1993年5月
- 浜松医科大学医学部附属病院 研修医
- 1994年6月
- 藤枝市立総合病院 呼吸器内科
- 1996年4月
- 京都予防医学センター
- 2001年4月
- 浜松医科大学医学部附属病院
- 2002年7月
- 米国ボストン大学 研究員
- 2004年6月
- 聖隷三方原病院 呼吸器内科
- 2005年6月
- 浜松医科大学医学部 臨床薬理学講座 助手
- 2013年4月
- 浜松医科大学医学部 臨床薬理学講座 准教授
- 2020年11月
- 浜松医科大学医学部 臨床薬理学講座 教授
- 2021年4月
- 浜松医科大学医学部附属病院 臨床研究センター センター長(兼務)
メッセージ
2026年度より難治性疾患実用化研究事業においてプログラムオフィサーを担当させていただくことになりました。専門は臨床薬理学、呼吸器内科学、臨床研究です。
私の専門であります呼吸器疾患領域にも、多くの希少難治性疾患がありますが、その一つに間質性肺炎があります。間質性肺炎では、酸素と二酸化炭素の交換を担う肺胞に炎症や線維化が生じ、進行すると十分な酸素を取り込むことが難しくなります。私が医師になった1990年代には、間質性肺炎の病態として炎症が重視され、炎症を抑えるステロイドが治療の中心でした。その後の研究により、間質性肺炎の代表的疾患である肺線維症では、肺胞上皮への繰り返す傷害と過剰な修復反応が線維化につながることが明らかになり、現在では線維化を抑える治療薬が臨床で用いられ、新たな治療薬の開発も進められています。
このように、難治性疾患では、病因・病態の解明から治療法の開発、そしてその成果が患者さんに届くまでには、長い年月と継続的な研究の積み重ねが必要です。本事業では、病因・病態の解明と画期的な診断・治療・予防法の開発が進められ、多くの新しいエビデンスが創出されています。一方で、いまだ病態が十分に解明されておらず、有効な治療法が確立されていない疾患も少なくありません。研究の成果が新たな診断法や治療法へつながり、希少難治性疾患の克服に少しでも近づくよう、プログラムオフィサーとして本事業に携わってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
プロフィール
- 1993年 3月
- 東京大学医学部医学科卒業
- 2002年 3月
- 博士(医学)東京大学
- 2004年 5月
- スタンフォード大学ポスドク
- 2010年10月
- 科学技術振興機構「さきがけ」研究員
- 2019年 4月
- 東京大学大学院医学系研究科神経内科学准教授
- 2020年 4月
- 東京都健康長寿医療センター 脳神経内科部長
- 2023年10月
- 現職
メッセージ
皆様、はじめまして。このたび難治性疾患実用化研究事業のプログラムオフィサーを拝命いたしました、岩田淳と申します。
本事業が対象とするのは、患者数が少なく、病態生理が十分に解明されておらず、有効な治療法も確立されていない難治性疾患です。近年、いわゆるcommon diseaseの領域では製薬企業による創薬への参画が加速し、長らく根本的治療法がないとされてきたアルツハイマー病においてさえ、病態の根幹に働きかける分子標的薬が臨床の場に登場する時代となりました。一方、希少疾患の領域では企業による研究開発が進みにくく、アカデミア発の基礎病態研究、臨床研究、創薬シーズの探索、そして治験の遂行が、これまで以上に重要な役割を担っていると考えます。
私自身、脳神経内科医として日々診療にあたる中で、診断に至るまでに長い年月を要し、ようやく診断にたどり着いても、なお有効な治療の選択肢を示すことができない場面に幾度となく向き合ってまいりました。希少疾患の研究は、対象となる患者さんが少ないからこそ、一例一例から得られる知見の重みが大きい領域でもあります。一つひとつの研究の先には、答えを待っている患者さんとご家族がいます。その視点を、研究の評価や助言にあたっても決して忘れることなく持ち続けたいと考えております。
プログラムオフィサーとしては、単に研究の進捗を確認する立場にとどまらず、研究者の皆様と同じ方向を向き、課題を共有しながら、実用化に向けて伴走する存在でありたいと思っております。研究が思うように進まないときや、次の一歩に迷われたときこそ、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。公平性と建設的な視点を大切にしながら、本事業から生まれる成果が一日も早く患者さんのもとへ届くよう、微力ながら力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
内田 恵理子
国立医薬品食品衛生研究所・客員研究員
|
プロフィール
- 1983年 3月
- 東京大学薬学部薬学科卒業
- 1985年 3月
- 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了
- 1985年 4月
- 国立衛生試験所(現・国立医薬品食品衛生研究所)研究員
- 1991年 6月
- 東京大学 博士号(薬学)取得
- 1993年 4月
- 国立衛生試験所 主任研究官
- 1995年 9月
- ハーバード大学医学部 客員研究員(1996年8月まで)
- 1998年10月
- 国立医薬品食品衛生研究所 室長(遺伝子治療担当室)
- 2007年 4月
- 厚生労働省大臣官房厚生科学課併任(2009年3月まで)
- 2021年 4月
- 国立医薬品食品衛生研究所 主任研究官(フェロー)
- 2026年 4月
- 国立医薬品食品衛生研究所 客員研究員
メッセージ
皆様こんにちは。今年度より、難治性疾患実用化研究事業のPOを務めさせて頂くことになりました。
私はこれまで、遺伝子治療の規制科学を専門として研究してまいりました。ゲノム編集を含む遺伝子治療は、本事業の対象となる遺伝性の稀少難治性疾患に対して根治療法ともなり得る新たな治療選択肢として、大きな期待が寄せられています。海外ではin vivo、ex vivoのいずれにおいても、既に10製品以上が上市され、臨床開発も数多く進められています。
一方、我が国では、遺伝性疾患に対する日本発の遺伝子治療製品は、いまだ実用化に至っていません。しかし、本事業においても遺伝子治療を対象とする採択課題は増加しており、先生方の研究成果の中から、日本発の遺伝子治療製品が一つでも多く生まれることを大いに期待しています。POとしても、その実用化につながる支援に努めて参りたいと考えています。
その一方で、臨床応用が進むにつれ、安全性が高いと考えられてきたAAVベクターについても、肝毒性や挿入変異に伴う発がんリスクなど、さまざまな課題が明らかになっています。また、製造の難しさや患者数の少なさを背景とした治療費の高額化も、実用化に向けて克服すべき課題です。製造技術そのものは直接的には本事業の対象ではありませんが、実用化には欠かせない重要な要素です。ぜひ研究の早い段階から、製造・品質を含めた製品としての安全性にも十分ご留意いただき、先生方の素晴らしいアイデアと研究成果を実用化へとつなげていただきたいと思います。
本事業を通じて、難治性疾患の克服につながる研究がさらに発展し、その成果が一日も早く患者さんに届くことを期待しております。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
岡本 隆一
東京科学大学大学院医歯学総合研究科 消化器病態学分野 教授/ 東京科学大学病院 消化器内科 診療科長
|
プロフィール
- 1996年 3月
- 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
- 1996年 6月
- 東京医科歯科大学医学部附属病院 医員(研修医)
- 1997年 6月
- 東京共済病院(国家公務員共済組合連合会) 内科医員
- 1998年 6月
- 長野県厚生連 北信総合病院 内科医員
- 2000年 6月
- 柏市立柏病院 内科医員
- 2004年 3月
- 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 博士(医学)取得
- 2004年 4月
- 日本学術振興会 特別研究員(PD)
- 2007年 4月
- 東京医科歯科大学 消化管先端治療学 准教授
- 2014年 4月
- 東京医科歯科大学 再生医療研究センター 教授
- 2020年 5月
- 東京医科歯科大学大学院 消化器病態学分野 教授
- 2024年10月
- 現職(東京科学大学大学院消化器病態学分野教授/東京科学大学病院消化器内科診療科長)
メッセージ
この度、難治性疾患実用化研究事業のプログラムオフィサーを拝命し、潰瘍性大腸炎・クローン病をはじめとする消化器系疾患等の研究開発課題を担当させていただくこととなりました岡本隆一と申します。
私はこれまで、東京科学大学病院にて炎症性腸疾患の診療にあたる一方、腸管上皮幹細胞やオルガノイドを用いた消化管再生医療の研究に、臨床医・研究者として携わってまいりました。診療の現場では、有効な治療法がなく苦しんでおられる患者さんやご家族と向き合う機会も多く、一日も早く新たな診断法・治療法を患者さんのもとへ届けることの重要性を、身をもって実感しております。
難治性疾患の克服には、優れた基礎研究の成果を着実に実用化へとつなげる橋渡しが不可欠です。プログラムオフィサーとして、研究者の皆様が挑戦する研究開発課題を的確に評価・支援するとともに、企業関係者、医療や行政に携わる皆様との連携を深め、研究成果が一日でも早く患者さんのもとに届くよう尽力してまいります。
また、研究の主役はあくまで患者さんとそのご家族であるという原点を忘れず、本事業の推進に微力を尽くしてまいりたいと存じます。
今回の活動・成果報告会が、患者さんをはじめ多くの皆様に本事業の意義と各研究開発課題の進捗をお伝えする機会となることを願っております。今後とも変わらぬご指導・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
古和 久朋
神戸大学大学院医学系研究科 健康科学専攻 教授
|
プロフィール
- 1995年
- 東京大学医学部医学科卒業
- 1999年
- 日本神経学会専門医取得
- 2000年
- 東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻進学(2004年3月修了).
- 2005年
- マサチューセッツ総合病院アルツハイマー研究ユニット(Hyman研究室)リサーチフェロー
- 2008年
- 東大神経病理助教,東大神経内科特任助教
- 2010年
- 神戸大学神経内科講師
- 2012年
- 神戸大学大学院医学研究科神経内科学分野准教授
- 2017年
- 神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域教授
- 2021年
- 同研究科認知症予防推進センター長兼務
- 2026年
- 神戸大学大学院医学系研究科 健康科学専攻 リハビリテーション科学講座 教授(改組による)
- 現在に至る
メッセージ
このたび、難治性疾患実用化研究事業のプログラムオフィサーを拝命いたしました、古和 久朋です。
私はこれまで、認知症の研究やその予防に取り組んでまいりました。確かなエビデンスを築くことはもちろん、得られた知見を診療や生活の場で生かし、必要とする方々に届けるまでには、多くの課題があることを日々実感しています。有望な結果が得られても、その意義を確かめ、現場で役立つ形にしていくには、時間と多方面の協力が必要です。対象とする疾患は異なりますが、研究の成果を実際の医療や暮らしの改善につなげるという点では、共通する課題があると感じています。
希少難治性疾患には、患者数の少なさや疾患の多様性など、この領域ならではの難しさがあります。個々の疾患で状況は異なり、容易に一つの答えを出せるものではありません。だからこそ、患者さんやご家族の経験と思いに耳を傾け、研究者の方々の挑戦を支え、企業、医療・福祉・行政に携わる皆様の知恵と力を結びつけることが大切だと考えています。この報告会が、これまでの成果を分かち合うとともに、残された課題を率直に共有し、次の一歩を考える場となることを願っています。
プログラムオフィサーとして、まずは皆様から学び、各研究の目標と進捗を丁寧に把握してまいります。科学的な確かさに加え、その成果が患者さんやご家族にとってどのような意味を持つかという視点も大切にしたいと思います。そして、立場を越えた対話と連携を大切にしながら、優れた研究成果が新たな診断・治療・予防の選択肢につながるよう、誠実に職務を務めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。医療につながるよう職務を務めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
成川 衛
北里大学大学院薬学研究科 医薬開発学 教授
|
プロフィール
- 1991年3月
- 東京大学薬学部薬学科卒業
- 1991年4月
- 厚生省入省
- 2006年2月
- 北里大学 博士号(臨床統計学)取得
- 2007年3月
- 厚生労働省退職
- 2007年4月
- 北里大学大学院薬学研究科 准教授
- 2016年4月
- 北里大学大学院薬学研究科 教授(現職)
- 2025年4月
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 審査センター長(クロスアポイントメント)
メッセージ
皆さま、初めまして。当事業のプログラムオフィサーを務めています成川衛です。
難病に対する新たな治療法について、その効果と安全性を確かめ、医薬品や医療機器等として医療の場に提供することの是非を判断するための拠り所となるのが臨床試験のデータです。臨床試験は、研究者や企業関係者の日々のご努力と、多くの患者の方々のご協力の上に成り立つものです。また、試験が適正に実施されるために設けられている種々の規制が存在します。
世の中の多くの難病については、未だ満足のいく治療手段が存在しない一方、難病は一般に患者数が少なく、新たな治療法の効果や安全性のエビデンスを示しにくいという特徴があります。私は、臨床試験のデザイン・方法論や得られたデータの解析・評価、薬事や臨床試験に関する規制を専門としています。このような知識・経験を生かしながら、難病を対象とした医療分野の実用化研究が円滑かつ効率的に進み、得られた研究成果をできるだけ早く多くの方々に利用可能とできるよう、難病研究の支援に力を注いでいきたいと考えています。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
林 義治
公益財団法人 先進医薬研究振興財団 理事長
|
プロフィール
- 1987年3月
- 東北大学大学院薬学部修士課程修了
- 1987年4月
- 吉富製薬(現田辺ファーマ)株式会社 入社 研究本部に配属
以降、循環・糖尿病薬等の研究ならびに臨床開発、承認取得に従事
(2000年3月 東北大学より薬学博士号授与)
- 2003年5月
- 開発本部 プロジェクトリーダー
- 2017年4月
- 創薬本部 トランスレーショナルリサーチ部 部長 理事
- 2019年4月
- 創薬本部 本部長 執行役員
(2020年5月~2021年5月 製薬協 研究開発委員会委員長)
- 2022年4月
- 公益財団法人 先進医薬研究振興財団 理事長 現在に至る
メッセージ
本年度から当事業にPOとして参画しました。難治性疾患の基礎的研究から治療薬開発に至るまでの幅広い活動段階を支援する当事業ですが、その名にあるように「実用化」に繋がるべく、研究班の先生方と協調し、企業視点も入れつつ取り組むことを意識しています。
難治性疾患への取り組みでは患者数の少なさも相まって、「平均値」での有効性もさることながら、個々人に応じた「最適解」がより強く求められるのではないか、と思っています。その意味では、同じ疾患名であっても、複数のアプローチが検討されることは重要です。また、「実用化」にはスピード感も重要でしょう。病に苦しむ患者さんにとって、研究の遅れは生命にかかわる問題です。研究開発の全体計画が出戻りリスクの高いものになっていないか、各項目の目的は何か、必然性があるか、といった観点も意識していきます。
今回の活動・成果報告会でご理解いただけるように、日本には多くの優れた研究があり、新たな治療法に繋がる可能性があふれています。患者さん自身やその周りで支える方々の希望となれるよう、一つでも多くの「選択肢」を届けるべく、支援したいと思います。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
茂呂 和世
大阪大学大学院 医学系研究科 感染症・免疫学講座 生体防御学教室 教授
|
プロフィール
- 2003年3月
- 日本大学歯学部歯学科卒業
- 2007年3月
- 慶應義塾大学 医学研究科博士課程単位取得満期退学
- 2007年4月
- 慶應義塾大学医学部微生物学・免疫学教室 助教(非常勤)
- 2008年4月
- 慶應義塾大学医学研究科 特任研究助教
- 2011年4月
- 科学技術振興機構さきがけ 専任研究員
- 2012年4月
- 理化学研究所免疫アレルギーセンター(RCAI)上級研究員
- 2013年4月
- 理化学研究所生命医科学研究センター(IMS)上級研究員
- 2013年4月
- 横浜市立大学生命医科学研究科 客員准教授
- 2015年9月
- 理化学研究所医科学研究センター(IMS)チームリーダー(現・兼任)
- 2016年4月
- 横浜市立大学生命医科学研究科 客員教授
- 2019年4月
- 大阪大学大学院医学系研究科生体防御学教室 教授(現・本務)
- 2019年9月
- 大阪大学免疫学免疫学フロンティア研究センター免疫・アレルギー 教授(現・兼任)
- 2019年11月
- 大阪大学大学院生命機能研究科生体防御学教室 教授(現・兼任)
メッセージ
本事業が対象とする難治性疾患は、「希少性」「病因の不明確さ」「有効な治療法が確立されていない」「生活機能への慢性的な影響」といった複合的な課題を抱えており、研究開発には高度な専門性と粘り強さが求められます。加えて、一般的な疾患と異なり、利用可能な患者検体や疾患モデルが限られているうえ、研究者の数も多くはなく、情報や知見の蓄積が不十分な場合も少なくありません。そうした状況下で、病態解明から治療法の開発、実用化に至るまでのプロセスを進めるためには、従来型のアプローチにとどまらず、異分野との連携や新たな視点を積極的に取り入れる柔軟性が鍵になります。小さな進展が次のブレークスルーにつながる可能性もあり、積み重ねるデータ一つひとつが、未来の診断・治療への布石となります。
希少疾患・難治性疾患に苦しむ患者さんにとって、治療法の選択肢が少しでも広がることは大きな希望です。その希望に応えるためにも、疾患特性を深く理解し、実現可能性を見据えた研究計画を立て、AMEDからの支援も最大限に活用しながら、最良のチームで臨んでいただきたいと願っています。私自身もPOとして、皆様の取り組みをしっかりと支え、必要な助言やサポートを提供できるよう努めてまいります。難しいけれども極めて意義のあるこの領域で、未来につながる成果を目指していければと思います。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
和田 和子
大阪府立病院機構大阪母子医療センター 副院長
|
プロフィール
- 1987年
- 大阪大学医学部卒業
- 1987年
- 大阪大学医学部附属病院小児科研修医
- 1988年
- 淀川キリスト教病院小児科
- 1990年
- 大阪府立母子保健総合医療センター 新生児科
- 1995年
- Harbor UCLA リサーチフェロー
- 1997年
- 大阪大学医学部助手
- 2009年
- 大阪大学医学附属病院総合周産期母子医療センター 副センター長講師
- 2017年
- 大阪府立病院機構大阪母子医療センター 新生児科主任部長
- 2024年
- 現職
メッセージ
本年も成果報告会を訪れていだただき、ありがとうございます。難病研究に携わる全ての研究者、医療、福祉、行政、企業の皆様の日頃のご尽力に深く感謝申し上げます。
本事業では、多領域の多くの難病に関わる研究が採択され、活発に研究が行われております。他分野の研究者同士の新たな出会いにより、最新の研究成果や知見を迅速に共有し、互いに刺激し合うことで、難病治療の進展を加速させることが期待されます。
また、医学研究の一つのキーワードとしてPPI(Public and Patient Involvement:患者・市民参画)がいわれていますが、特に難病研究においては、難病当事者とそのご家族のご協力なくしては、研究が成り立ちません。患者様や市民の声を直接取り入れることは、研究の方向性や質を高めるために非常に有効です。患者様の実体験やニーズを理解し、ご協力を得ることで、研究がより実践的なものとなり、結果として効果的な創薬、治療法の開発に繋がることが期待されます。その点においても、この成果報告会が、研究者間のみならず、研究者と患者様、そのご家族、そして市民の皆様の情報共有、意見交換の場となればと願っております。
プログラムオフィサー(PO)メッセージ
プロフィール
- 1983年3月
- 北海道大学医学部 卒業
- 1983年4月
- 浜松医科大学医学部附属病院 研修医(第三内科)
- 1989年4月
- デュッセルドルフ大学 循環生理学研究所研究員
- 1994年8月
- 浜松医科大学医学部 第三内科 助手
- 1998年12月
- 浜松医科大学医学部 臨床薬理学講座 助教授
- 2005年4月
- 浜松医科大学医学部 臨床薬理学講座 教授
- 2007年1月
- 附属病院 臨床薬理内科長, 臨床研究センター長
- 2016年4月
- 国立研究開発法人国立国際医療研究センター 臨床研究センター長 兼任
- 2018年4月
- 浜松医科大学 理事・副学長
- 2025年4月
- 現職
メッセージ
臨床薬理学および循環器内科の立場で難治性疾患実用化研究事業の発足時からPOとして参加させていただいています。難治性疾患の医薬品開発に関して、私自身も今から二十数年以上前、当時は勃起不全治療薬として承認されたPDE5阻害薬の肺動脈性肺高血圧症へのドラッグリポジショニングを試みたことが有ります。肺血行動態や自覚症状に著明な効果が認められ、米国心臓病学会では肺動脈性肺高血圧症へのPDE5阻害薬の応用の先駆けの発表となりました。しかし、当時日本では医師主導治験の制度がなく、適応拡大のため製薬企業にいくら治験の開始をお願いしても聞き届けられませんでした。今振り返ると、製薬企業は市場性が小さいことを危惧したかもしれませんし、また外資系企業であったために日本単独での治験開始は困難だったかもしれません。またこちらが提示したエビデンスもRCTではなく症例報告のレベルにとどまり、企業を動かすほどのエビデンスレベルではなかったからかもしれません。幸い、学会発表などで興味を持って下さった多施設の研究者の方々が同一プロトコールで臨床試験を実施してくれたおかげで、これらの国内データをもとに公知申請に基づき遅まきながら上記のPDE5阻害薬は承認されました。現在では肺動脈性肺高血圧症治療の第一選択肢になっています。頑健なエビデンスをRCTにより提示することは重要ですが、希少性疾患の場合、RCTの完遂はしばしば困難です。症例報告レベルであっても、通常は進行性に症状が増悪する難治性希少疾患に対し、ある医薬品によって客観的に症状や検査データが改善したならば、その観察は優れたエビデンスになりうると思っています。幸い現在は医師主導の治験が可能です。客観性や信頼性の高い評価項目を設定して、N-of-1試験の活用などによって少数のサンプルサイズでも優れたエビデンスが日本から創出されることを期待しています。